消費者へのメッセージ
ー改訂版『魚沼コシヒカリ物語』より平成10年1月1日ー
偽装魚沼コシヒカリを許さない
(1)、はじめに
消費者の皆さん、こんにちは
私どもの、魚沼コシヒカリを食べていただきありがとうございます。いかがですか。
戦前の小作の中で厳しい農村生活、戦後は農地解放による一人前の百姓になり、政府の
要請(国民の要請)により、食糧増産に励んで国民の食料不足を解決してきました。
又、魚沼地方は、雪が深く農業以外に産業が少なく、出稼ぎのほかは現金収入を上げる道
が狭かったことが、稲作に営々と力を尽くして今日の基礎を築き上げたといっても過言では
ありません。
魚沼地方は、稲作と出稼ぎの象徴的な存在として、国民の食料の供給と都会への労働力
の供給基地として、日本の発展を支えてきました。
又、魚沼地方は、豪雪による豊富な水資源に伴って、都会への電力と飲料水の供給、田園
風景の緑による空気の浄化など、国民の生活と国土環境保全に多大な貢献をしてきています。
中山間地農業は、耕地が狭く、家族農業と地域協力で成立しているのです。
(2)、農政の課題について
農業は、政治による保護がなければ、困難になるのは歴史の教訓です。
最近では、食料と環境問題が国際的にも、全国民的にも見直されつつあり、健康食として
『米飯』の和食が見直されつつあります。
同時に自然との関係での農業生産を、製造業と同じコスト論での家族農業と農業生産へ
の攻撃が政府によって強められています。
農業の果たす役割を、消費者を始め全国民的な共通認識とする事が、農業農山村地域を
守る力ではないでしょうか。行政の税金の無駄をはぶき、国民の主食を守り、自然環境への
役割を果たしている農業への保護をするのは、政府の責任であるという全国民的合意を早
急に作る必要があります。
そういう全国民的な運動と合意形式の前進に期待を寄せながら、困難の中で『魚沼コシヒ
カリ』を生産しています。
専業農家として適正規模での生産の確保と後継者が意欲を持つことができる所得の向上
なくして、農業や農山村地域を維持することはできません。又、兼業農家にあたっても、利益
は小さくても機械の償却や一定の自家労賃の確保ができることによって、後継意欲の向上が
可能になり、田園風景を守り農業の再生産を維持することが可能になります。
市場での『米』の価格の下支え機能と充分な備蓄を早急に
政府の責任で行なうことが求められています。
(3)、『無農薬・有機栽培』の表示は適切か
ー栽培方法の確立と公表こそ重要ー
◎栽培の実態と表示は、一致しているのでしょうか
今日、限定的な栽培面積しかできなく、少量の収穫しかできないものが、大量に『無農薬・
有機栽培』として市場に出回っているようです。認証制度が発足したが、生産者団体消費
団体も疑問を投げかけている。
「無農薬・有機栽培」の認証で先進国といわれているアメリカでも、その農産物が認証団
体であるOCIAも区分することが事実上不可能であると認めています。
大部分が売らんが為の表示になっている?「無農薬・有機栽培」では、市場に充分な量が
出まわるはずがないと考える方が自然である。
◎広瀬地区農家の特別栽培方法の考え方
自然との関連の中で、真実の意味において栽培方法を明示し、『安全安心で良食味の
米』を安定的に供給するという広瀬地区と農家の哲学を確立し、消費者とともに歩み、又
消費者に守られる方向を目指すーこれが広瀬地区農家の特別栽培米です。
ウソの表示より長年の農協と農家の知恵を発揮しながら、魚沼地方の自然風土に適した
栽培方法で、消費者と連絡を取りながら、真実を明示することにより、相互の信頼が高まっ
ていくものと確信しています。
(4)、消費者へのメッセージ
日本の農業を守ることは、農山村地域を守ることであり、災害から国土を守ることであり、
水資源を守ることであり、大気汚染を防ぐことにも密接な関係があります。
日本国民は、歴史的に本籍で見ると農山村地域出身であり、現住所は様々だと思います。
食糧を生産する人、食料を消費する人、との関係では、一見相対しますが、狭い国土の中
で自然との格闘の中で共生していくためには、対話し交流し、農業・農山村地域の果たして
いる国民的役割とそれに携わっている人々の辛苦を理解していただき、新しい農政の確立
を共同の力で進めることが必要ではないでしょうか。社会的連携を相互に発揮しましょう。
魚沼地方の広瀬地区の農家の人々が、経済的にも肉体的にも苦労してと作り上げてきた
「魚沼コシヒカリ』をどうぞ御賞味下さい。
ガク・グリーンファーム広瀬は、『安全・安心を第一として、うまい魚沼コシヒカリ』(広瀬・
雁坂下米)をお届けします。
『魚沼コシヒカリ』を通じて大企業本位の政治ではなく、平和で明るい国民本位の政治を
実現する共同の歩の契機になれば幸いです。
あなたと御家族の健康をお祈りすると同時に、対話と交流を楽しみにしています。
ガク・クリーンファーム広瀬 代表 覚張 健
魚沼コシヒカリ、『広瀬・雁坂下米』
魚沼市・旧広神、魚沼市民
魚沼コシヒカリ生産者から
魚沼ビオトープコシヒカリ圃場 三年目になります
圃場水口の池
圃場排水口の池